猛暑の今夏 ペルセウス座流星群を撮る







8年待って、ようやく最高の条件で極大を迎えられると思ったのもつかの間、最悪の天候となりそう。
日本列島近海で次々と台風や熱低が発生するなんて、列島周辺はいつ熱帯になったんだと言いたい。
湿度は高く、昼間晴れていても、夜になると一面の雲とガスに覆われる。
例年なら梅雨明けと同時にトンネルの中の道路は乾くはずなのに、いつまでも雨降りのように濡れている。
旧盆を過ぎても梅雨のような前線が残るらしい。
立秋を過ぎたから秋雨前線か。
こんな状態だったら、天体イベントなんて期待できなくなる。
本当に悲しい。

猛暑の今年は室温がとうとう38℃に達した。
夜になると多少は下がるものの、それでも35℃。
エアコンを使わなくなって15年。さすがにこのままでは危ないと、危険を感じる昨今。

この夜もせっかくの新月期になのに、雲がとれない。
まあ家の中にいるよりいいか、と割り切って外に出る。
地温が高く、レジャーシートを通して身体は加熱状態。
それでも台風が接近しているため、心なしか風が涼しく感じられるかな、と無理矢理思う夜だった。

とりあえずモーションタイムラプス用の回転雲台にカメラを載せて、撮影開始。
もう1台はカウンターウェイト2㎏でバランスをとって、恒星追尾撮影開始。
準備だけで汗まみれ。
相変わらず雲が多い。

やれ暑いと、団扇をあおいで寝転がり、ラジオを聞きながらいつの間にか寝てしまった。
どれぐらい寝たのだろうか、目を覚ますと雲はどこかへ去り、満天の星が広がっていた。
ただし空気中の水蒸気量が多くて、もやっとして透明度は低い。
こんなに暑くても結露対策が必要になるほど。
それでも、晴れることもあるんだ、と嬉しくなる。
そのまま明け方まで撮影した。

今年のペルセ群を撮るチャンスはあとどれぐらい残されているのだろうか。
αアカデミー「ペルセウス座流星群撮影講座」を受講された皆さん、1枚でも撮れるチャンスに恵まれるだろうか。
どうか、星空に恵まれますように。



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画像ほぼ中央のペルセウス座の放射点からカシオペヤ座を飛び越して高速流星が流れた。
この他にもはくちょう座付近からゆっくりした流星も流れた。ペルセ群とは一見して異なることが分かったが、残念ながら写野から外れた。
画像下にはプレアデス星団(すばる)が顔を見せ、左にはぎょしゃ座のカペラが明るく光を放つ。
この後、明け方近くになって真夏のオリオンが顔を出した。
ああオリオン座だと、声を上げる。

夏の夜空に、季節は巡り、星も巡る。



2021年8月8日01時26分撮影
α7M3 + FE 12-24mm F2.8 GM、12mm、ISO6400、f2.8開放、15秒露光の1枚画像、マニュアルWB、LEE SP-31 ソフト №1使用、長秒時ノイズリダクションなし、Raw、撮影後取得したダークフレームにより後処理としてダーク減算処理、赤道儀で恒星追尾撮影